今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
都心に駐車場と持ち家のあるおばあちゃんの土地建物等の遺産の相続をねらって、父、叔母、叔父がもめています。
いやだな、兄弟なのに。
父は長男なので、おばあちゃんを引き取ると言っています。
叔父は介護を目的に、おばあちゃんの家に住むと言っています。
叔母はおばあちゃんの家の家を売って、遺産を分けたのち、老人ホームに入れたいと言っています。
おばあちゃんはボケてもいないのに、周りがどんどん決めてしまい、おばあちゃんが可哀想です。今度結婚する私は、長女ということもあり、養子を取る予定です。おばあちゃんも嬉しかったのか、遺言書を制作してくれるとのこと。現在弁護士さんに依頼しているのだけど、このことは全て内緒だよ、とおばあちゃんは私に言ってくれました。
血のつながった兄弟なのに、お金のせいで険悪になっています。これ以上もめないよう、遺産のすべては私に相続する、と。
嬉しいのですが、私の結婚式に叔父叔母がきてくれるか心配です。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。いや~地獄の佐多も金次第といいますが、遺産相続トラブルは本当にそのことを痛感させてくれますね。。。しかし、このお声には問題があります。おばあちゃんはかわいいお孫さんのため、遺産のすべてを相続させると言いたいところですが、そのゆいごん書は遺留分を侵害しています。ゆいごん書を書かれることは大変すばらしいのですが、それが法的にも有効なものである必要がありますね。別に遺留分を侵害したゆいごん書を書いたとしてもそれ自体が無効になるわけではないのですが、このお声を読んだ限りでは、相続人の方が遺留分減殺請求をしてくるのは火を見るよりも明らかだと思われます。遺留分を侵害しないゆいごん書を書かれた方がいいのではと思います。そしてこの場合は付言事項、つまりおばあちゃんのメッセージが必ず必要ですね。おばあちゃんつまり遺言者の声が残っているかどうかが、遺産相続トラブルではとても重要になってくるのです。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡