今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
親戚の伯父が亡くなった際、残された家や土地についてとても大きな問題になりました。
本来であれば、伯母と息子が相続するはずでしたが、伯母はすでに認知症のため施設に入院し
息子は、何十年も前に絶縁されていたからです。
家や土地そのものに、大きな価値があったわけではありません。
しかし、伯父は特に遺言状などを残さず、突然の病気で亡くなってしまったため、一般的な
法律に基づいての遺産相続が行われることになりました。
しかし、相続する権利をもつ人間があまりにも膨大になったうえ、たとえ家や土地を処分したとしても
全員に分配される金額などはとても小さなものであるという計算になっていました。
また、そもそも転売するとなれば、相続権をもったすべての人間の確認が必要となっていましたが、
全員を探すことすら難しい状況となっていました。結局、すべての相続人を探し出し、すべての相続人からの
確認を受けるまでに5年以上の年月がかかってしまいました。
土地や家は、所有者がいなくなったあとでも形として残るものです。
その財産の相続について遺言などでの指示を残しておくことは、残される家族にとっても
とても大切なものとなります。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。ん?という内容ですね。亡くなられた叔父さんに奥さんとお子さんがいたのなら、その人が相続人になるはずなんですが、、、。たとえ認知症になっていたとしても、相続権を奪われるわけではありませんので、当然相続人になります。しかし、判断能力がないとされますので、法定後見人を家庭裁判所に申立る必要がありますね。また絶縁したといっても、実の親子関係はどこまでいっても戸籍上は親子なので、当然のように相続権がありますよ。まあただこのケースでは申立る人も、息子さんを探す人もいないという状態なので、ご親族のだれかの協力が必要なんだと思います。そう考えると、このお声のケースは実に、現在の相続の大変さを表しているモデルケースといってもいいかもしれませんね。認知症や行方不明の相続人。こういった問題は、事後の処理では本当に大変です。事前に対策をする必要があるのです。だからこそ、この方のおっしゃるように、ゆいごん書は必要ですね。またこのケースでは信託なども利用されていたらもっと良かったのではと思いますね。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡