今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
相続財産が少ないからまたは殆んどないから相続問題は起こらないと安心していてはいけません。私の身の回りでも遺留分を巡って、ひょっとしたらひと悶着起きるかもしれません。被相続人となる人は83歳の高齢で、時間の問題とも言えます。兄弟仲が悪かったりするとてきめんです。
それは遺留分という問題です。子供は長男・長女です。長女は嫁いでいます。長男は自宅新築のどさくさに紛れて父の名義の不動産も自分のものに組み入れてしまいました。その時父親は了承したそうですが、母親は勝手なことをしたと怒っています。父親も今になって軽はずみなことをしたと反省しています。
遺留分を娘に支払う現預金(相続財産)は父親にありませんから、不動産をとり込んだ長男は母親と長女に遺留分を払わねばなりません。当然、現金で払うことになるでしょう。 長男は5年後に退職しますからその退職金で支払う必要があると思います。然し腹黒い長男ですから、遺留分の放棄あるいは減額を迫ってくるはずです。穏便にこの問題をクリアできるか、心配なことです。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。遺留分という問題。これはややこしいですね。この遺留分という制度は非常に珍しい制度で、諸学国の法律にも同一の制度はなく、極めて特殊な制度です。しかしこの遺留分減殺請求権という権利は、非常に強い権利なので、この権利が濫用されて相続トラブルに発展するケースも多く散見されますね。このケースのように生前贈与も、遺留分算定の対象となる場合もあります。しかし、僕は遺留分くらいは渡してあげて欲しいなと思います。相続トラブルになれば、お互い無傷ではいられません。最終的にどっちが勝ったの?と聞きたくなる事例も多くあります。10対0では、お互いに気持ちよくありません。和を重んじる日本だからこその遺留分と考えて頂けたらもっと幸せなのになと考えます。だからこそ相続は、事前に考えておかなければならない問題だと思っていますよ。
宮崎県行政書士会宮崎支部所属
かねこ行政書士事務所
金子 聡