今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
もうずいぶん前に、農業を営む祖父が亡くなった時に、親族から遺産放棄の書類にサインをするようにと求められました。
祖父の世帯は大家族で、6人の兄弟に内孫も4人、私の父は次男で、早々に独立して離れた土地に居を構え、暮らしています。
祖父の財産がどれほどのものかは知りませんが、叔父から「農家を続けていく上で、相続した人間が皆、何もかもきちんと分けろといってそのようにしていたら、田畑は消えてなくなってしまう。土地を手放さずに、存続させるためには法律上で相続の権利がある者も、協力して放棄して続けていくものだ」
と聞きなるほど、と納得がいきましたので、書類にサインをしました。
今になって思えば、話の種に、次男の娘である自分には、どれほどの相続の権利があったのか、その割合だけでも聞いておけばよかったかな、と思いますが、
下手にそんな話を持ちかけて、親族に不信感を持たれるのもつまらないので聞かなくてよかったのだろうとは思いますが、ちょっとは気になりますね。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。確かに、農地などは相続で分割してしまっては、営農として成り立たなくなるなどの問題があると思います。ですから農地の相続の場合には、代償分割という方法が取られたりもします。農地をこれからも営農出来るように、分割せず一人が相続し、その代償として代償金を支払うという方法です。このお声からも分かるように、農地、不動産などの分割しにくい、分割してしまったら価値が下がるなどの相続財産がある場合には、特に注意が必要です。また事業をやってらっしゃる方なども同様に、権利を分割してしまってはこれからの経営に支障がでる場合がりますね。こういったケースでは、やはりゆいごん書が大きな力を持ちます。ゆいごん書は遺産相続トラブルの予防薬ですね。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡