今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私の知り合いの相続で驚いた話があります。
それはどういうものかというと、その知り合い(以下Aさん)のお祖父さんが昔から多くの土地を所有していたらしく、Aさんも自分の祖父がどれだけの土地を所有していたのか把握していなかったそうなのですが、ある日、お祖父さんが病に倒れ亡くなってからAさんに相続権が発生しました。そこでAさんはお祖父さんの財産のうち、土地を相続することになったのですが、ここで問題が起きたのです。
Aさんが把握していないお祖父さんの所有していた土地に、ずっと以前からある家族がそこに家を建てて住んでいたそうなのです。Aさんもその土地はそのご家族のものだと思っていたそうで、寝耳に水の話だったそうですが、自分の祖父の土地だと分かったAさんはそのご家族から土地代をいただこうと持ちかけたそうです。
そのご家族も自分たちが住んでいるのは自分の土地だと思っていたらしく、どうやらそのご家族のご両親が家を勝手に立ててしまったそうで、納得がいかなかった彼らは弁護士さんに相談したそうです。
すると、自分たちの土地だと思い込んでそこに住み続け、一定の期間が経つと時効取得といってその土地を取得することが出来るそうなのです。結果、Aさんはそのご家族に本来であればご自身のお祖父さんの土地を譲渡することになったとか。
一度、相続の前に、自分たちの財産はきちんと把握しておいたほうがいいかもしれません。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。確かに投稿者の方がおっしゃる通り、財産を整理しておくということはとても大切ですね。このケースは、民法でいうところの取得時効にあたりますね。所有の意思をもって、平穏かつ公然と、一定期間、占有を継続することによって所有権の取得時効が完成します。一定期間とは、注意していたけど他人の土地と知らなかったし、気づかなかった場合は、10年、何ら注意を払わなかった結果、他人の土地と知らなかったし、気づかなかった場合は20年です。このお声の場合は、誰が固定資産税は払っていたのか?も気になるところですが、取得時効が成立しそうなケースですね。こういったケースを防ぐ為にも財産の整理は、とても大切になります。不動産であればその不動産があるところの市町村役場で、名寄帳を取得しましょう。名寄帳には、その人のもっている不動産がすべて記載されています。相続手続きにおいては、弊所でも必らず取得する書類です。宮崎市であれば300円で取得できますので、取得されてみてはいかがでしょうか?
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡