今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
しっかりと遺言を残した人がいます。複数の不動産と預貯金、それをプロを通して公的書面にして、大手信託銀行の遺言信託とし、家族には、常々「死んだ後は、○○○信託銀行に行けば手続きを全部やってくれるから」と言って亡くなりました。
残された家族は、その銀行担当者と連絡を取って、遺産分けを始めました。ところが、遺言信託を作ったのはバブル全盛期、まだまだ地価は上がるだろう、名門リゾート物件はさらに人気が出るだろう、貨幣価値はインフレで下がるだろうというのが、大方の見方でしたので、その前提で書かれた内容だったのです。生前に遺言の見直しはできたのかもしてませんが、知人の場合は塩漬けでした。遺言信託を作ったことで一安心、それより自身の健康管理が必須で見直す余裕はなかったのでしょう。約15年後に開いた遺言の内容は、かなり不公平なものとなっていました。バブルがはじけ、経済が冷え込み、名門リゾートも需要がなくなり(地価が暴落)、築年数が増えて下がるはずと書かれた都心一等地駅近マンションはメンテもよく人気。価値と時価とは一致しませんが、公平と言うのは難しいことですね。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。いや~このお声は遺言とはどういうものかを考える意味でも非常にいい例だと思います。ゆいごん書は、保険と同じです。その時々で見直す必要があります。家族の状況が変わった。資産の状況が変わった。あなた自身が病気になった。など、その時々で見直すものです。僕たちは預言者ではありませんから、自分が亡くなるずっと先を見通すことは不可能です。定期的(弊所では、1年、3年、5年での見直しを推奨しています)に、見直しが必要です。そしてゆいごん書を書くことであなた自身が整理でき、周囲への感謝の気持ちを再認識できるとしたら、それはあなたにとってこれから生きる意味でもとても意味があるものになるのです。ゆいごん書は、これからをより良く生きる意味でも必要なものなのです。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡