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声 10年以上経って、揉めることになるなんて

今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。

 

私の祖父は腎臓を患い、3年間の闘病生活の末、他界しました。
祖父の残した遺産は小さな実家と僅かながらの貯金でした。
遺言などは無く、当時特にお金に困っていなかった私の母と伯母たち4人姉妹は全員祖母へ相続権を譲りました。
今から10年以上前の話です。
祖母が祖父の分まで元気で生きてくれたらいいと、毎年伯母たちはお盆やお正月は必ず祖母の住む実家へ顔を出していたそうです。それが今では相続で揉め、絶縁状態になってしまいました。きっかけは2年ほど前、隣の県の区画整理でした。
県がその土地を買い上げるのに所有者である祖父を探して祖母の元を尋ねて来たのです。祖父が土地を持っていたとは誰も聞いたことが無かったのですが、
祖母宅の土地の権利書にまぎれて、その土地の権利書が出てきたそうです。
祖母は母と遠方に住んでいる伯母たちを祖母の住む実家へ呼び戻しました。
すぐに帰ってこれるだろうと言っていた母は3日間実家から帰ってきませんでした。
母を除いた3人姉妹がそろって自分が相続すべきだと主張したそうです。
結局は祖母の一存で母を除いた姉妹3人で3等分するようになったのですが、
相続で揉めた事が祖母の逆鱗に触れたらしく、伯母たち3人へ絶縁宣告をしてしまったそうです。
祖父の葬儀のときにきちんと権利書を確認していればこんなことにはならなかったのに。
最近になって母が私にあの時何があったのか教えてくれました。
母は伯母たちが帰ってこないお盆やお正月が近付く度にあの時の事を思い出しては気が滅入ってしまうのだと。

ここがポイント!

お声を頂きありがとうございます。相続財産があとから出てきた。これはよく聞く話です。しかし、亡くなった方の財産を遺された方がすべて把握するというのはなかなか難しいと思います。だからこそ、ゆいごん書が必要なのです。自分が持っているものは何かを遺される方に分かるようにしておくというのは、とてもありがたいことです。このお声のような相続トラブルでのケースを拝読させていただくと、ゆいごん書の必要性を痛感します。ただやっておけば良かったな~と思うことは、このトラブルは相続財産の調査を怠ったことに起因します。不動産の権利証などを細かく確認するのは困難です。ですから、市町村役場で「名寄帳」を取得しましょう。該当する市町村役場では、その方の持っている不動産をまとめた情報が入手できます。これをもとに、法務局などで不動産の情報を入手するというのが相続手続きで行う一般的な流れです。

 

宮崎県行政書士会宮崎支部

かねこ行政書士事務所

金子 聡

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