今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
法事で住職のお話を聞いてきたんだけど、生前に永代供養の手配をしておく人が増えてきているそう。何せ最近は長男長女同士が結婚したり、長男長女が遠方に就職してしまうしで、実家から離れて根を張ることが多くなってきている。よって、親としては実家に墓を作っても守ってくれる人が居ない。ということで、初めから「墓を作らない」という選択肢を選ぶのだそう。
かつては家督相続で、長男長女が家をまるまる相続していた。しかし今は"相続"とは財産分与の印象が強い。前者は権利と義務がくっついていたのに、後者は遺言がなかった場合は「家や仏壇は長男が見るけど、財産は兄弟均等に分割な」となり、権利と義務が分離してしまうのだ。「責任は持ちたくないが、金はくれ」なんてかつては恥知らずの発言だったようだが、今はそれが普通となっている。
昔は檀家の方から頭を下げて「そろそろ○○の法事が近づいておりますので、よろしくお願いします」と言ってきたが、今では寺がパソコンで各檀家の法事スケジュールを管理し、時期が近づいたら手紙なり電話で連絡をしないと、檀家側は「いちいち覚えてない」らしい。
並行して、葬儀屋の事情も聞かせてもらえた。客の奪い合いをするため「格安家族葬、安く出来ます!」という話を主戦力に置いたら、客単価が下がってしまい、業界全体のマネーパワーが萎んでしまったらしい。業界は反省しているが、自らが作った流れはもう変えられないのだとか。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。確かに時代と共に、「死」に対する価値観も変わってきたように思います。核家族化し、それぞれの家庭にそれぞれの事情があります。相続トラブルが増えているのもそういった時代背景も大きく関係しています。忙しく、情報過多の現代においてひとつひとつの価値が下がりおろそかにされていっているように感じます。多くのことを処理しなければなりませんから、どうしてもしょがのないことかもしれませんが、それによって見失ってはいけないものもあると思います。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡