今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。今回の声で最後に、「相続も遺言書もお金もなくなればいい」とあります。そこまで思う位に相続争いは大変だということです。しかし、決して相続やお金はなくなることはありません。だからこそ、しっかりと考えることが大切なのではないでしょうか?
2年ほど前に父の兄が亡くなりました。膵臓癌でした。
叔父の家庭環境が随分複雑で、すでに色々な問題ですったもんだしていることは彼が入院してから発覚しました。
まず、入院したのが亡くなる2年ほど前で、入院と同時に離婚を前妻に申し込まれ承諾せざる負えず離婚をしていた。
その際、当時20歳の子供の親権について前妻と協議しようと思い、叔父は父を呼び、自分にもしものことがあった時には、
父に自分の代わりに子供を育ててほしいとお願いしていたのですが、その話し合いが決定するまでもなく親権はすでに母方で持つことに決まっていたということです。その後、父の姉が欲に眩みこの件に介入し、叔父を言いくるめ、彼女に有利な内容になるよう遺言を書かせ、全てを動かそうとしておりました。父の姉も、兄も全員関東に住んでいますが、私たち家族は東北に住んでおりますので、このような状況は父の耳には全く入らなかったのです。それをいいことに、父の姉と叔父の前妻は、各々水面下で遺言書の作成や、親権、また叔父の所有するマンションの所有権等すべてについて我先にと手をまわしていたそうです。
そんな時父へ叔母から連絡が来ました。「助けてほしい」と。すべて叔父の前妻に奪い取られてしまう、娘が可愛そうだと、あくまでも叔父のことを憐れんでるといった内容だったそうです。事態を把握していない父は急行し、まず叔父に事情を聴いたところ、上記で書いた全てのことが行われていたということでした。叔母は保険金とマンションの所有件がほしかったので、叔父をうまくまるめ込めて遺言書を作成させました。しかしすでに再婚している叔父の前妻は、新しい伴侶の巧みな根回しにより、弁護士を立て叔母に対峙し、全ての叔父の所有物を所有する権利を得ることになったそうです。父が急行した時には、すでに事態は手遅れでなにもすることができなかったのです。叔父は全く自分の遺言書の内容が効力を持たないと知りながら死んでいきました。人は、自分の兄弟が死ぬときにそこまで卑劣な行動をとることができる生き物なのでしょうか。相続も遺言書もお金もこの世からなくなればいいのにと思いました。
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