今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私には弟が二人います。
姉の私から見ても、弟ながらしっかり者の長男と、末っ子でお調子者の次男。それなりに仲良く育ちそれぞれ家庭を持つまでになりました。
時は過ぎ、70歳を前に父がガンを発病し、2年が限界ではないかと医者に言われました。突然のことに動揺しましたが、それは心を落ち着け、父がいなくなることを受け入れる期間としては、充分な時間だったと思います。
実際、2年半ほどの期間でしたが、母を始め私たち兄弟も取り乱すことなく父を看取れました。生前の父の希望通り慎ましい家族葬を終え、四十九日を迎えようという時です。次男である弟から相続はどうなるのか、と話が出ました。
当然法定相続分がもらえると思っていたようで、いつ貰えるのかと口うるさく言うようになりました。
まだ納骨も済んでないのに、と怒りを覚え説教してやろうとした時、長男である弟が一枚の封書を出してきました。父からの遺言状でした。
きちんと公正証書として残されたものです。中には全財産妻に遺す、という内容が書き記されていました。
すでに年金ぐらしになっている母が不自由なく生活できるよう、いったん全て相続させておきたいという父の心遣いでした。実はこの意向については私も直接父から聞いたことがありました。
長男もこの話を生前に聞き、金遣いの荒い次男が相続を主張してきた時のことを考えてきちんと遺言状を遺すよう父に進言したそうです。
大人になってまで自分の生活のツケを親に払わせるようなマネはするな!と長男に一括され、うなだれて帰って行った次男。実は遺留分というのが主張できるようなのですが、そこまでの知識がなかったようで、その後何も言ってきませんでした。
そこに気付いたら俺が諌めるから、と長男が言ってくれていますが、これまで普通に付き合ってきた兄弟たちとお金のことでもめることになるなんて考えもしませんでした。
こんなに心が疲れるものだとも思いませんでした。
父が遺言状を作っておいてくれたことが唯一救いでしたが、いずれ母がなくなった時、また兄弟で相続の話をしなければいけないと思うと憂鬱になるのです。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。遺言書は、残されるご家族を救うのだなと本当に感じます。決めておくというのは、本当にありがたいことだなと思います。相続でもめたご家族は、まさかうちがもめるなんてと言われます。実は仲がよいご家族だからこそ、相手に気を遣って話ができなかったりするのです。ゆいごん書はご家族を救います。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡