今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
東京の学生時代の友人が悩んでいます。彼の父親は兄弟が独身であった時に亡くなりました。相続人は母と兄弟二人です。父親の遺産は、東京・北区の住まいが大部分でした。相続人で分ける預貯金は少なく、住まいをどうするかということになりました。次男はいずれ自分は出ていくから、何もいらないと言いましたが、母親は子供は平等だとの考えから住まいの土地建物を共有で相続登記をしました。
其の後次男は結婚して家を出ていきました。その後しばらく何の問題もなく過ぎていきました。母親が高齢で介護が必要になり自宅で五年間療養した後に亡くなりました。長男と嫁が世話をしました。初盆の席で次男が相続の事を持ち出してきました。子供の教育費で困っているので、自分の相続分はお父さんの時の分と合わせてお金で貰えないだろうかいうのです。
電話で私にいい方法はないかと相談を持ちかけてきた次第です。たった二人の兄弟だから仲たがいをしたくない。弟にもできるだけの事をしてやりたい。しかし恥ずかしながら私にも弟に払ってやるだけの現金もないという悩みでした。いい方法を考えてみると電話を切りましたが、なかなかこれといった方法が浮かびません。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。このお声からも分かるように、相続が起こってからでは、もう手遅れのケースがあるということです。また相続において不動産の共有はタブー中のタブーです。不動産の共有は、問題の先送りに過ぎません。このお声の場合は、弟さんの不動産の共有部分の評価額程度を買い取るといった形の解決策が一般的だと思われます。投稿者の方のご友人が将来困らないためにも、この問題を次の世代へ残さないためにも、相続の共有は早めに解消すべきです。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡