今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
近年の住宅難で、二世帯同居が増えていますが、それと同時にトラブルもまた多いようです。
知人が「よく耳にする」と言っていました。せっかく一緒に住むことになっても、何年かの内にどちらかが出て行く話が多いのだそうです。
出て行ければ良いのですが、お金や遺産の関係で、仕方なく住み続ける家族もいることでしょう。大変ですね。
古今東西、嫁姑の仲は悪いものと決まっているようで、一人ひとりの付き合いなら良い人でも、ずっーと一緒に住んでいれば、細かなことで対立はあります。
全く行き来のない造りなら良くても、そうは行かないからです。
私の従姉もそうでした。従姉は早くに結婚して、孫が男女1人ずついます。
兄は四十歳過ぎまで結婚はしなかったのですが、やっと縁あって結婚し、数年して二世帯同居用の家を建てました。
土地は従姉の名義で、家は長年働いて従姉が貯めてあげていた息子の名義でした。
孫が出来れば問題はなかったのですが、嫁が若かったのに「子供は欲しくない」と言って生まないまま、10年が経ってしまいました。
この嫁姑、性格が正反対、ことごとく意見が合いませんから、従姉がとうとう「孫にこの家を譲りたい」と言い出して、公正証書作成に。
嫁がまた物分りよく、というか良くは考えていなかったのか、遺産相続放棄の判子を押したみたいです。きっと誰にも相談しなかったのでしょう。
老後が心配ですが、従姉はすごく安心したみたいです。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。確かに嫁姑問題は永遠の課題ですね。子供を思う親の気持ちを考えるとしようがない気もします。子供はいつまでたっても子供ですし。また遺産相続放棄に判をという話が文中に出てきますが、相続放棄は被相続人の生存中つまり相続が発生する前には出来ません。それに対し、「遺留分」の放棄は相続発生前にすることが出来ます。しかし、無制限に認められているわけではなく、家庭裁判所に申し立てし、許可を得る必要があります。また遺留分を放棄したからといって、相続を放棄したわけではありませんから、相続が発生したら相続人となることには変わりありませんし、遺産分割協議によって相続財産を取得することも出来ます。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡