今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
友人は早くにお母様を亡くし、その後二十歳を超えたばかりのころにお父様も亡くされたそうです。
お父様の葬儀を終え、ようやくちょっと落ち着いたころ、彼は親戚の集まる部屋に呼び出されました。
そこで彼は叔父にお父様の遺産のことについて話を切り出されたのです。
その叔父は彼に遺産を兄にすべて譲るように言ってきました。
彼のうちは旧家で、家の維持費などにも多額の費用がかかります。
もともと家を継ぐことなどにも興味がなく、自立心旺盛だった彼はその申し出に素直に従ったそうです。
後継ぎである兄の立場が大変なことも彼にはよくわかっていましたので。
しかし数年後、彼は兄から耳を疑うような話を聞くことになります。
じつは彼らは父母を早くに亡くしましたが、彼らの祖母はまだ健在でした。
のちに施設に入りましたが、母屋の後継ぎである兄達がその面倒をみていたのです。
ところがその祖母が亡くなってしばらくすると、兄の家に金融機関から電話がかかってきました。
祖母のこどもである叔父たちが祖母の通帳を解約しに来たそうなのです。
父の立場を引き継ぐ権利のある兄には何の連絡もなしに…
その話を聞いて彼は驚きました。
自分の相続の際には、家を継ぐことの困難さを訴えて彼に相続放棄を迫った人間が
自分の時には当たり前のように権利を主張して遺産を勝手に引き出そうとするなんて…
人間って恐ろしいものですね。
お金を目の前にすると礼節も羞恥心も失ってしまうようです。
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